X−E2のファームウェアアップデートを期に、流し撮りにチャレンジしてみました。
流し撮りの作例を見ると「なんか難しそう。。。」と感じてしまいます。しかし、やってみると意外とイイ感じにカッコ良く撮影できるものです。今回の記事では流し撮りのコツやカメラの設定をご紹介します。
流し撮りをやろうと思ったきっかけ
流し撮りをやってみようと思ったのはX-E2のファームウェアアップデートによってファインダーのタイムラグが感じないレベルに向上したからです。
このアップデートで単にEVFのフレームレートが上がった訳ではなく、暗い場所でもフレームレートが落ちにくくなりました。
今年のCPプラスにてEVF開発担当の近藤氏からのコメント
1.6LVまでの暗さまでは高速の60フレームが続く。
1.6LVの暗さや60フレームのスピードとは正直、良く分かりません。多分、「暗い場所でもストレス無くファインダーが見れます」ということだと思います。
EVFの大きなデメリットは『追えない』という事をよく耳にします。恐らく光学式ファインダーに慣れていると、そう感じるのかもしれません。
今回の流し撮りはファインダー性能を試す良い機会になりそうです。
カメラの設定
シャッター速度
流し撮りはシャッタースピードを遅めに設定して撮影します。レンズの焦点距離にもよりますが、XF23mm (換算35mm)だと1/8〜1/30位のスピードが撮影しやすいです。練習すれば1/8まで下げられそうです。
ピントの位置
動体を追いながらのピント合わせはむずかしいですね。なのであらかじめピントを合わせておきます。
ピントの位置は被写体を撮影する位置に合わせておきます。下の画像のように動体が通り過ぎる道の上あたりにピントを合わせ、そのままシャッターボタンを半押しし続けます。
被写体を追う
自転車が左から右に通過してます。自転車の動きに合わせてカメラを左から右へ動かします。下の画像の場合は自転車の動きとカメラの動きが一致してません。カメラの動きが早くても遅くても失敗写真になります。
撮影距離
被写体とカメラの距離によって難易度が変わります。被写体が遠いほどブレにくく、逆に近ければブレやすくなります。最初は遠い被写体を狙って撮影しながら徐々に流し撮りの感覚になれて行くと良いと思います。
向こう側の車線の車はファインダーで追いやすいので上手く撮れる確率がグッと上がりました。
昼間はシャッタースピードを遅くすると明るくなり過ぎるので、絞り気味にするかISO感度を下げて、露出を適正にします。
夜の流し撮り
暗い環境でもフレームレートが下がらないX-E2のEVF。動体の追従も余裕で行えました。あとは動体とカメラの動きをシンクロできるかどうかが問題。コレばっかりは練習あるのみですね。
フィルムシミュレーションとカラー設定
私はコントラスト濃いめで黒がクッキリ浮き出る絵が好きなので下の画像のような設定にしました。
- フィルムシミュレーション:ベルビア
- シャドー:+2
- カラー:+2
- シャープネス:+2
(ダーフクの好みの色なので参考までに。)
シャドーを+2まで上げることで黒が強調され、絵がグッと締まります。ピントが合っている部分をクッキリ見せたいのでシャープネスを+2まで上げました。
フィルムシミュレーションをベルビア。更にカラーのレベルを+2に上げました。その結果、ライトの灯りに濃い色が付き、現実からチョット離れたような絵作りになりました。
ISO感度で 露出を調整
流し撮りをやる時は、スピード優先(絞りAUTO、ISO AUTO)で良いと思います。しかし、絞りやISOがAUTOだと露出を安定させることができません。
特に、夜は暗い場所と明るい場所の差があるので、マニュアルで絞りとシャッタースピードを固定し露出を安定させます。
ISOがAUTOの場合も同様に露出が安定しないのでマニュアルでISOの数値も決めておきます。シャッタースピードが遅いので暗い環境でも開放で撮影すれば、ISO感度は1,000以下で大丈夫だと思います。
シャッタースピード1/8の場合、ISOを100まで下げても明るすぎるので絞りを2.0にしました。
(流星の中へ)
(いい勝負)
(前進)
流し撮りは非日常な写真が撮れるので、とても楽しいです。
夜間のファインダーの見え具合は非常に良好です。「動体を追えない」という感じはありませんでした。よくやってしまうのが、カメラを動かしながらピントを合わせる。これをやるとピントがほとんど合わず失敗します。
流し撮りがキレイに撮れた時の感動はとても大きいですね。