
先月、XF60mm F2.4を購入しました。それからというもの、X-E2にはXF60mmを付けてマクロ撮影に明け暮れております。また、ポートレート撮影にもこのレンズが活躍。
キレのあるピント部と換算91mmが作り出すボケ味。買って良かったレンズです。XF60mmの使用頻度が上がり、逆にXF23mmはXF60mm購入以来、数回程度しか使ってません。
GRやXF23mmでは味わえない狭い画角ゆえのインパクトのある写真。マニュアルフォーカスを使ったピント合わせがとても楽しいです。
この際、飽きるまでXF60mmを使い倒してやろうと思ってます!
XF23mmとXF60mmを比較する
画角も使う用途も全然違う2つのレンズ。比較対象としては変かもしれません。しかし、せっかくなのでこの2つのレンズを私なりに比較してみました。
名称 | XF23mm F1.4 | XF60mm F2.4 |
---|---|---|
画像 | ||
発売日 | 2013/10/12 | 2012/2/18 |
レンズタイプ | 単焦点 | 単焦点 |
フォーカスタイプ | インナーフォーカス | 全群繰り出し |
35mm換算 | 35mm | 91mm |
F値 | 1.4 | 2.4 |
最大撮影倍率 | 0.1倍 | 0.5倍 |
最短撮影距離 | 28cm | 26.7cm |
フィルターサイズ | 62mm | 39mm |
重量 | 300g | 215g |
レンズの仕組みがフォーカス速度に影響する
インナーフォーカスのXF23mmと全群繰り出しのXF60mm。フォーカススピードはXF23mmの方が断然速いですね。
XF60mmはフォーカスをあわせる時に、ゆっくり「ビーッ、ビーッ」とレンズが前後に動きピント部を探しに行きます。

それに対しXF23mmは「ガガガッ」と瞬時にレンズ内部でピント合わせを行います。
この体感速度のさは大きいです。
FUJIFILM X MOUNT LENSES:レンズ光学技術より抜粋
全群繰り出し式とは
レンズ全体を動かしてフォーカシングするため、フォーカスの位置による収差や変動が少なく、フォーカス駆動全域で最高のレンズ性能を引き出せるフォーカス方式をとった設計です。
フォーカシングによるレンズ群の位置変化がないため、ピント面のシャープさだけでなくアウトフォーカス部の描写も変わることがないので、合焦する距離によってボケが崩れたりすることがありません。
この設計方式では、多くのレンズを駆動させるために非常に大きな駆動力が必要となりますが、XFレンズでは、トルクが大きく起動性能に優れたDCコアレスモーターを採用することで高い応答性を実現しています。
インナーフォーカスとは
フォーカスレンズの質量は、オートフォーカス速度に大きく影響します。インナーフォーカス方式では、レンズの中間部分から後ろ部分の比較的小型軽量なレンズ群を動かしてフォーカスを行うことで、AF高速化を実現しています。
ズームレンズ及び、23mmF1.4R、56mmF1.2Rではインナーフォーカス方式を採用してオートフォーカスの高速化を図っています。
オートフォーカスとマニュアルフォーカス
XF23mmは主にスナップ撮影に使うのでオートフォーカスで問題ありませんでした。それに対し、XF60mmはマクロ撮影に使用。その場合、オートだとシビアなピント合わせができなくなります。なのでマニュアルフォーカスとピーキングを使いピントの山を狙って慎重にピント合わせを行います。
フォーカス切り替え
XF23mmを買った後で気がついたのですが、XF23mmはボディーのフォーカス切り替えレバーをイジらなくてもフォーカスモードの切り替えができるのです。
フォーカスモードはオートフォーカスのまま、ピントリングをグイッと引っ張るとマニュアルフォーカスに切り替わります。
画角
換算35mmと91mm。撮影倍率が変わってきますね。同じ位置から撮影(ノートリミング)
FUJIFILM X-E2 (23mm, f/1.4, 1/200 sec, ISO500)
FUJIFILM X-E2 (60mm, f/2.4, 1/200 sec, ISO1250)
FUJIFILM X-E2 (23mm, f/11, 1/420 sec, ISO400)
FUJIFILM X-E2 (60mm, f/11, 1/350 sec, ISO200)
親指オートフォーカス機能
XF60mmを使って「すごく楽だ!!」と感じたのが親指フォーカスです。「親指(オート)フォーカス」という言い方が俗語かどうか分かりませんが、【AF-L】ボタンを押すと、マニュアルフォーカスモードにもかかわらず、シャッター半押しと同じ動作をしてくれます。
つまり、オートフォーカスで大体のピントを合わせて、細かな部分をピントリングを回しながら徐々に合わせていくという操作ができます。
全ての被写体をマニュアルフォーカスで合わせるのは大変ですし、その都度フォーカスモードを切り替えるのは面倒くさい。そんな時に「親指フォーカス」を使うとその悩みを解決できます。
残念なことに、XF23mmで「親指フォーカス」はレンズの構造上、使えません。しかしXF60mmのように無限にピントリングが回らないので、特に苦になりません。
最大撮影倍率
XF23mmの最大撮影倍率は0.1倍です。それに対しXF60mmは0.5倍。
最短撮影距離にて被写体の写り具合を比較してみました。
FUJIFILM X-E2 (23mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO800)
被写体との距離はXF23mmは28cm。XF60mmは26.7cmでほぼ一緒。ダンボーくんの顔で背景が隠れてます。撮影倍率0.1と0.5でこれだけ違うんですね。
FUJIFILM X-E2 (60mm, f/2.4, 1/60 sec, ISO1000)
レンズフード(別売り)
付属のレンズフードは持ち運ぶには大きすぎるのでXF23mm、XF60mmとも使用してません。コンパクト性とルックスの両方を兼ね備えた別売りのレンズフードを付けてます。

レンズフードを付ける目的はレンズ保護です。レンズフレア対策は無視してます。


同じ単焦点のXFレンズでも構造が違うと操作方法や性能も大きく変わってきますね!
60mmは前玉繰り出し方式で、前半分がせり出します。全群繰り出しは18mmと35mmです。