X-E2を使用して以来、そのカメラに付けっ放しのレンズXF23mm。奇しくもXF23mmが発売された翌月、X-E2が発売された。なんというドンピシャなタイミング!『これは運命に違いない!!』と思ったほどだ。そしてレンズとボディーを同時に購入。
FUJINONレンズは種類も豊富。レンズキットも安価で手に入るが、数ある組み合わせの中でボディー+レンズという買い方を選んだ。選んだというか、選択肢がこのレンズしか無かったのだ。もし、XF23mmが発売されなかったら、ちょっと我慢しながらXF35mmを買っていただろう。
決してXF35mmがXF23mmに劣る/優るという意味ではない。画角の好みである。私はX-E2を手に入れる前からRICOH GRを愛用している。GRは28mmの広角レンズである。この広角レンズが気に入っており、とても使いやすいレンズだなと感じていた。
椅子に腰掛けてテーブルの上に並んだ料理を撮るときや、目の前に広がる景色をすべて画角に収めたい時に何も気にすることなくサクッと撮影できるのが広角レンズ28mmである。
GRを使い広角が使いやすいことや単焦点でも不自由を感じないことを身をもって体験した。FUJINONレンズを買うなら【広角・単焦点・明るいレンズ】と決めていた。となると選択肢はXF23mmのみ。
絶好のタイミング!!
XF23mmが発売されたのは2013年10月中旬。X-E2を買おうと決めたタイミングはXF23mmが発売される前だった。なのでX-E2に付けるレンズはXF35mmになる思っていた。富士フィルムが主催するX-E1使い方セミナー(当時2013年9月)に通ったり会社帰りにビックカメラやヨドバシカメラに立ち寄ってXF35mm(換算53mm)の使用感を何度も試した。
家電量販店の店員さんからは「また来たか。。」と思われたかもしれない。しかしレンズを購入したあとで「換算53mmの画角は使いにくい。」という事態は避けたい。本当にこのレンズ(XF35mm)を買って失敗しないかどうか、とにかく納得したかったのだ。レンズ選びで迷っている最中、XF23mmの発売が発表された。私は歓喜に沸いた。
23mmと35mmは何が違うんだ!?
双方を画角で比較すると35mmと53mmになる。この差は大きい。35mmであれば動かずして撮影できるが53mmだとチョット引かなければ全体を収めることができない。
このような場面は少なくない。狭い店内にてテーブルを挟み向かい側の人物を撮影する際に飲食店の背景を残しつつ人物を画角に収めたり、複数の人物を引くに引けない状況の中で撮影しなければならない状況は意外と多い。
この場合、53mmだと結構キツイ。写真のプロであればフレームに収まりきらない頭部や不要な部分は”ケチらず外す”という発想ができるだろう。しかし写真の経験が浅い人は「全体を収めたい」と思うのではないだろうか。
私自身、写真経験は浅い。なんでも写真に収めようとして不要なモノが写真に写り込んでしまったり、インパクトに欠ける弱々しい写真になる事が沢山ある。その点、53mmは撮りたいもの(見せたいもの)をハッキリと浮き立たせ印象に残る写真が撮りやすい。とりわけFUJINONレンズの中でもXF35mmの評価は高い。
各メーカー毎に「神レンズ」と呼ばれる商品が存在しているが、FUJINONレンズの場合はXF35mmがそれに該当するらしい。X-E2新製品発表会に参加した時、とある有名写真家がXF35mmを「神レンズ」と語っていた。
「このレンズは開放で撮影した時に髪の毛一本一本に至るまで鮮明に描写。且つ背景を柔らかく優しくぼかすことができ、53mmの画角で使いやすい。オススメの単焦点レンズはコレ」との事。確かに手に入りやすい値段で、比較的使いやすい画角。しかもF1.4の単焦点53mmであれば、そう呼ばれるレンズになるかもしれない。これが、70mm以上の中望遠となると使える場面が極端に少なくなる。
XF23mm F1.4 | XF35mm F1.4 | |
---|---|---|
画角 | 35mm(63.4 度) | 53mm(44.2 度) |
重量 | 300g | 187g |
価格 | 85,000円前後 | 50,000円前後 |
嘘のようなホントの話
余談だが、GR DIGITAL4を購入する前の事。まだカメラに関して何の知識もないときに SONYのEマウント【SEL50F18】という単焦点レンズを購入して失敗した経験がある。ちなみにこのレンズも「神レンズ」と呼ばれている。
その頃は『画角』という概念が私の中になかった。【SEL50F18】の画角は75mm。このレンズを付けた時は「なぜズームをしてないのにこんなにも寄って見えるんだ??」と首をかしげた。中望遠レンズだから広角レンズに比べたら寄って撮れるのは当たり前の事なのだが、画角を知らない当時は使いにくくてどうしようもないレンズだった。
机にあるモノを撮影する際は2〜3歩引いて撮影しなければならないし、さらに見えるモノの1部分(パーツ)しか撮影できないではないか。そんな事を思っていたので数ヶ月ほど使用して売却してしまった経験がある。もしこれが50mm前後の画角だったらもうチョット長くレンズを使用し続けていられたかもしれない。
レンズを選ぶコツ
XF23mmとXF35mm。細かいスペックを上げればきりがない。もし、どちらにしようか迷う方は『画角から考えてみては』いかがだろうか。35mmと53mmの画角はどちらが自分にとって使いやすいか。「どちらにしてよいかわからない!」という方は両方買うというのも手だが、費用もかさむのでそれはなかなか難しい。
しかし実際に使ってみないことにはわからない。失敗しないカメラ選びのコツ!でも紹介したが、やはり重要なのは”体感して理解すること”である。メーカーが行うセミナーに参加したり、家電量販店に置いてあるレンズを使って試し撮りするのも良いだろう。ぜひ「これだ!!」感じる画角を試行錯誤しながら発見できればと思う。